スピーカーとアンプの相性について
〜能力よりも大切なこと〜
スピーカーの能力を最大限に引き出すためには、
アンプの性能が高い方が有利なのは間違いないでしょう。
ただし実際には、**アンプの性能以上に重要なのが「相性」**です。
「高額なアンプに替えれば音が良くなる」と考える方も多いですが、
組み合わせによっては逆にバランスを崩してしまうこともあります。
アンプもスピーカーも種類は無数にあり、すべてを試すことはできません。
理論的に100%最適な組み合わせを見つけるのは現実的ではありません。
しかし「相性」という考え方を知っているだけで、
無駄な買い替えや誤解を防ぐことができます。
ここでは、簡単な目安をご紹介します(あくまで参考としてご覧ください)。
① 発売年代をある程度合わせる
基本的には、
- 昔のスピーカーには昔のアンプ
- 新しいスピーカーには新しいアンプ
という組み合わせが無難です。
年式を完全に揃える必要はありませんが、
できれば同じ年代、もしくは近い世代にすると相性は取りやすくなります。
例:
70年代スピーカー → 70年代アンプ
80年代スピーカー → 80年代アンプ
この考え方は意外と有効です。
② 現行アンプでビンテージスピーカーを鳴らす場合
最近のアンプは、
- 低能率スピーカーを強力に駆動する設計
- 高解像度志向の音作り
が多く、60〜70年代のスピーカーとは方向性が違う場合があります。
そのため組み合わせによっては、
本来の良さが出にくいこともあります。
もちろん不可能ではありませんが、
相性選びはより慎重になります。
③ ビンテージアンプで現代スピーカーは意外と鳴る
逆に、昔のアンプで現代スピーカーを鳴らすと、
予想以上に良い結果になることがあります。
特に音の厚みや自然さを好む方には、
この組み合わせが合う場合も多いです。
そのため当店では、用途や好みによっては
ビンテージアンプをご提案することもあります。
④ 高能率ホーン型スピーカーとアンプ
アルテックなどの高能率ホーン型スピーカーは、
もともと小出力アンプでも大音量を出せる設計です。
そのため、
- 超ハイパワーアンプ
- 現代的な高出力設計
よりも、
- 出力控えめでシンプルな回路のアンプ
- 真空管アンプ
の方が合う場合があります。
ただしこれらの大型スピーカーは、
日本の一般住宅では設置条件が厳しいことも多いため、
導入前に環境をよく検討する必要があります。
⑤ 困ったときの定番アンプ
相性に迷ったときは、実績の多いモデルを基準にするのも一つの方法です。
例えば、
サンスイ AU-607 / D607 / 707 / D707 系列
多くのスピーカーを安定して鳴らしやすく、音質バランスも良好です。
トリオ(現ケンウッド)KA-7300 / 7500 / 7700 系列
駆動力が高く、力強いサウンドが特徴です。
サンスイよりやや個性はありますが、堅牢で信頼性も高い印象です。
いずれも整備済み個体を選ぶことが前提になります。
まとめ
スピーカーがうまく鳴らない場合、
・いきなり高額アンプに買い替える
よりも
・まず相性を疑う
ことが大切です。
同価格帯、あるいはそれ以下でも、
相性の良いアンプに替えるだけで改善することは珍しくありません。
さらに、
- 部屋の環境
- スピーカーの置き場所
- セッティング
でも音は大きく変わります。
買い替えを考える前に、
まずは設置と組み合わせを見直してみてください。


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