オーディオ用電源の重要性

オーディオにおいて電源は、重要な要素の一つです。
電源はすべての機器の“入り口”なので、良くも悪くも全体に影響します。

ただし電源まわりは、下手に手を加えると音のバランスを崩したり、ノイズが増えたりすることもあります。
ここでは私の経験も踏まえながら、電源対策の考え方をまとめます。


電源は重要だが、一般家庭では過剰にこだわらなくていい

結論から言うと、一般家庭でオーディオを楽しむ場合、電源に大金をかける必要はあまりありません。

理由はシンプルで、
効果が分かりにくい割に、悪影響が出るケースがあるからです。

電源ケーブルや電源タップを高額品に替えても、音の変化は「微調整」レベルに収まることが多いです。
大きく変わる場合は、良い方向とは限りません。

電源で一番大切なのは、突飛なことをせず、安定した状態を作ることです。


電源トランスは“効かない”か“悪化する”こともある

ここ20年ほどで、アイソレーショントランスや電源トランスが広まりました。
価格も数万円以上が多く、決して安い買い物ではありません。

しかしこのトランス系は厄介で、
変化がほとんどないか、場合によっては音が不自然になることもあります。

私自身も過去に失敗しました。

10年以上前に、当時7万円ほどの電源トランス(200V→100V変換)を導入したことがありますが、体感として明確な効果はありませんでした。
しばらく使った後に外して通常コンセントに戻しても、やはり大きな違いは感じませんでした。

また、お客様からも「効果が分からなかった」という話を複数聞いています。
他メーカーのトランスでも、効果が薄いだけでなく、むしろ音が痩せたり硬くなったりする例がありました。

そのため、トランス系は貸し出し試聴などで確かめられない限り、慎重に考えるべきだと思います。


アース工事も“やれば良くなる”ほど単純ではない

電気工事でアースを取る方法もありますが、これも簡単ではありません。

実際、導入した結果「ノイズが増えてしまった」という例もあります。
原因の一つとして、アース抵抗値が高すぎるケースが挙げられます。

一般的には抵抗値が高いと効果が出にくく、逆効果になることもあります。
(目安として低いほど良いと言われますが、実現には環境と工事が必要です。)

抵抗値をしっかり下げようとすると、庭付き住宅での本格工事が必要になることが多く、費用も数万円~数十万円規模になりがちです。
知識と経験のある業者選びも重要になります。

当店の場合は(建物条件の影響か)既存のアースが使えたため、悪影響はなく、体感として高域が少しクリアになりました。

アースは、たまたま自宅にアース端子があるなら試す価値はあります。
ただし、工事まで含めると難易度とコストが上がる点は覚えておきましょう。


では結局、電源はどうすればいいのか?

私の結論はこうです。

電源は「変なことをしない」ことが最優先。

雑誌や宣伝に流されて、いきなり高額な電源アイテムに手を出す必要はありません。

最低限、

  • 良質な壁コンセント(過度に高額でなくてよい)
  • 価格が常識的で作りの良い電源タップ
  • 必要なら適切な配線整理

この程度で、一般的な環境では十分です。

仮に音の変化が小さくても、安価であれば損失は少なく、安定して使えます。


電源が“最近になって急に重要視された”違和感

電源は確かに大事ですが、
ここ最近になって急に「電源が最重要」と言われ始めた印象もあります。

それでも昔のオーディオ機器や録音には、今でも素晴らしいものが多い。
電源環境が今より劣っていたはずの時代でも、良い音は成立していました。

だからこそ、電源だけを過度に神格化するのは危険だと感じます。


電源関連で「現実的」なおすすめ

※以前紹介していた方が辞められたようなので、別の出品者をご紹介します。

https://auctions.yahoo.co.jp/seller/AzYoMNq2J2yQThY9rmMqtQjzxE94p?select=22

数千円~2万円程度で、良質な電源タップや電源ケーブルが入手できます。
一般的な家庭環境であれば、このクラスで十分だと考えています。

オーディオ雑誌で宣伝されている電源アクセサリーの価格が本当に妥当なのか――
一度、冷静に考えてみてください。


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